令和2年度
全体講評
中学~高校レベルの内容を誘導しながら解かせる問題が中心。小学生にはなじみがないので、かなりわかりにくかったかもしれません。想定の範囲内とはいえ、高得点をとるのは至難の業かもしれません。
大問1 生物中心(一部化学)
炭水化物の燃焼と生き物の呼吸の関連を化学反応のしくみから洞察させる問題
炭、エタノール、でんぶん(ブドウ糖)という身近な物質がいずれも炭素からなりたっていることを示して、化学反応の枠組みから共通点の示唆を促す問題でした(トピックは小学レベルから中学理科、高校化学レベルに及んでいます)。
それを踏まえて、たんぱく質や脂肪という栄養素や光合成に話題を広げ、生物分野の知識を中心に確かめています(化学の知識を問う問題は石灰水の説明のみ)。
「味の素はあじのもと。水素ってなんのもと?」の授業(JT理)を思い出してくれた子はピンときたはず。授業の板書と設問がそっくりなのは、小学生にはこういう書き方しかできないからです。
最後は熱化学の考えを比を使って解かせる計算問題。話題は高校化学レベルですが、小学生でも解けるように丁寧に誘導されています。

大問2 物理分野(一部地学)
ふりこの周期を問う問題
落下速度は重さに関係ないことを確かめる実験を最近の授業(JT理)でやりましたね(空気抵抗で実験はちょっと失敗しましたが・・・)。覚えていますか?ピサの斜塔の話です。
ガリレオの落下の法則から、ふりこの周期に重さは関係ない! ふりこの周期はふりこの長さの2乗に比例して、長さが4倍になると周期は2倍になるよ とまとめましたが、まさにアレが出ました! 思い出せたかなー?
ちょっとむずかしかったかもしれないけれど、おまけ(?)の地学(天体・天気)は基礎的な知識を問う問題にとどまっていたので、得点源になったのでは?と思います。
対策
どんな力が必要かというと、与えられた解説を理解して活用する洞察力。聖徳中理科の特徴です。数値計算の力も問われました。
今後の対策としては、用語や原理の丸覚えではなく、ふだんからじっくりと自分で考えて問題を解く姿勢が大切だと思います。
また、アチーブの講習期では中学レベルの理科の講座を受講したり、理科検定2~3級まで取り組んだりすると高得点が望めると思います。
(あやべひろあき)