夏期講習2015「感性ふくらむ作文講座」がいよいよ始まります。
毎年多いご質問は
「読書感想文ってどうやってかけばいいの?」
「どんな作品がいい作品なの?」
「だれに相談すればいいの?」
の3つです。
そこで、昨年度のコンクールで特選入賞されたみなさんにご厚意をいただき
作品を紹介させていただくことになりました。
優秀作品のよさを鑑賞し、困ったことがあったら気軽に相談してください。
医者として
柳津小 五年 伊藤 雅起
「忘れちゃいけない!まだ終わっていない!」という言葉に衝撃を受けました。この発言をした原田正純先生は、不治の病と知りながら、水俣病といつも向き合ってきました。そして、たった一つの病気に、命や人生を捧げてきました。皆さんは、原田先生のように、一つの病気に自分の大事な命や、人生を捧げることができますか。
このようなことの前に、原田先生は多くの謎を解いてきました。まず一つ目は、胎盤が毒を通すということです。二つ目は」、毒は有機水銀ということです。原田先生が解いた多くの謎には共通点があります。それは、たくさんの、水俣病の患者さんからヒントを教えてもらったことです。あとたくさんの失敗をしたことです。こんな経験をした、原田先生がいいます。
「失敗を伝えるのは決して、恥ずかしいことじゃない。だって、人類の役に立つのだから。それにね、ぼくもいっぱい、失敗をしたんだよ」
この言葉は、失敗ははずかしくない、ということがわかります。原田先生がこんなことを言えたのは、日本や世界の人々の水俣病の患者さんと接してきて、たくさんの経験から言えることです。僕は、原田先生がすごい人だと、身にしみて感じました。
僕は、この原田先生に共感です。理由は最後まで、諦めずに、自ら取り組んで、一生をかけるぐらい、真剣に水俣病と接してきたからです。先ほどにも言ったように、原田先生は、失敗を恐れていませんでした。だから、今に至ると思います。今、僕たちが、安全に、安心に、魚を食べたり、川で泳いだりできるのも、原田先生や患者さんたちが、この事件を解いてくれたからだと思います。今、明日があるのは、普通と思っているかもしれないけれど昔、誰かが、何かをやってくれたから、今生きていると思います。
初めのほうに言った「忘れちゃいけないまだ終わっていない」という言葉を言った原田先生は水俣病の患者さんに夢と希望を与えました。原田先生は、失敗を気にせず、逆に失敗をバネにして、頑張ってきました。たとえ嫌なことを言われたり、やられたとしても気にしないで水俣病と付き合ってきた原田先生は優しくて自分のことより人のことと考えていていい人だと思いました。ぼくは人のことを自分のことより先に考えることが少ないので、原田先生のように自分のことより人のことを先に考えられるような人になりたいです。
(965字)
【短評】
病気に苦しんでいる患者さんを助けようと、医師として誠心誠意向き合っている原田先生の姿に共感している様子が、5年生の男の子の視点からていねいに、そして、素直に描かれています。水俣病の患者さんたちに夢と希望を与えるために失敗を恐れずにチャンレンジし続けた原田先生の姿勢というのは、医師に限らず、どのような仕事にも共通する「ミッション」であるはずです。人のため、そして、ひいては、それが自分のため、という考え方は、あなたの才能をより高めてくれると思います。そのような大人になれるように望ましい考え方を持ち続けてがんばってください。