夏期講習2015「感性ふくらむ作文講座」がいよいよ始まります。
この講座について毎年多いご質問は
「読書感想文ってどうやってかけばいいの?」
「どんな作品がいい作品なの?」
「だれに相談すればいいの?」
の3つです。
そこで、昨年度のコンクールで特選に入賞されたみなさんからご厚意をいただき
作品を紹介させていただくことになりました。
優秀作品のよさを鑑賞し、困ったことがあったら気軽に相談してください。
世の中のせいで苦しむ人々
聖徳中 一年 相崎 実桜
私は、勉強があまり好きではない。みなさんはどうですか。勉強が好き、大好きと答える人は少ないだろう。いやな思いをしてまで勉強をしようとは思えない。しかし、この本の主人公、マララは勉強をしたいという願いから政治に反対していた。だから銃撃に会ってしまった。私はこのことが書かれている『武器より一冊の本をください』という本を読んで、世の中で男女差別があるのはおかしいと思った。なぜなら、男も女もみな人類。同じ人類の中で差別があるのはおかしい。そう思ったからだ。その意見はマララも同じだ。私がこう言っているということは、マララの意見が私は正しいと思う。
そのことに立ち向かうマララがすごいと思う。その後、銃撃に会ってしまうが、マララは何も悪くない。マララが勇気ある行動に出たのになぜ。と思った。この時私は、マララはおかしくない、世の中がおかしい。そう思った。
マララは学校の帰りに銃撃に会い、手術でなんとか命は無事だったものの、マララの心はすごくすごく痛んでいると思う。私が同じ状況だったら、ショックで死んでしまうかもしれない。しかし、病院へと宛てて書かれた手紙でマララは勇気づけられて、立ち直れたのだと思う。
戦争は、誰だってしたくはないと思う。私たちが生きている日々にもちょっとした戦争が起きている。それは、ケンカ。ケンカしたところで誰か一人でも喜ぶ人はまずもっていないし、どちらかというと、傷つくばかり。そのケンカの発端は自分たちでつくっている。そのことは子供でもよく分かっている。なのに、大の大人がそのケンカを大きくした戦争というものに発展させるのだろう。そこが私たちには未だに理解できない。
戦争中の人々はマララ以外にもたくさん苦しんで、傷ついていると思う。その人たちは、「勉強したい」という気持ちを持っている人が多かったと思う。その気持ちは、今の私には無い。「勉強」という言葉を聞くだけで、イヤな気持ちになることが多い。だからこそ、「勉強」というものがどれだけ大切なものですごいということがこの本を通じてよく分かった。
そして、もう一つ分かったことがある。それは、いつもお母さんや先生がよく言う、
「勉強しなさい。」
という言葉だ。今までの私だったら、うっとうしいやうざいと思っていた。しかし、今は違う。その言葉は、自分はそうと思ってなくても自分のために、勉強がしたくても勉強ができないマララのような子供たちがいるうえで、勉強ができる私たち。そのうえで私は決意する。マララのように自由に勉強ができない子供たちのためにも私は、日々努力して勉強を頑張って行こうと思う。
もう一つここで言いたいことがある。自分たちだけでも、この小さな戦争、ケンカを少しづつ減らして行って、戦争ゼロの平和な世界になることをこれから先、ずっと願い続ける。
(1157字) ※学年は当時のままです。
【短評】
勉強嫌いな中学生にとっては、マララさんの学習への意欲はびっくり!という書き出しから「差別への批判」や「勇気への共感」とつながっていき、最後には戦争についての考えをはっきりさせています。
中学1年生らしいタッチでつづりながら、構成もよく練られている秀作だと思います。