平成20年度岐阜県立岐阜高校特色化入試 ≪小論文≫
解答例を作成しました。
【草 稿】
意見3について
石油や石炭のような化石燃料の枯渇は深刻
↓
代替エネルギーの開発が喫緊の課題
↓
バイオ燃料は比較的短期に再生が可能
↓
人間が生産をコントロールできる
↓
今後の研究・改良が可能
意見2について
食料不足が深刻な地域が存在
↓
エネルギー利用を優先すれば飢餓を助長するという懸念
↓
市場原理にゆだねるだけでなく人道的配慮が必要
↓
食料不足解消を視野に入れた開発
結 論
人道的な配慮や環境保全、食料不足解消を視野に入れながら発展させていけば、再生制御可能なバイオ燃料は、化石燃料の代替エネルギーとして有効である。
意見1について
植物の二酸化炭素吸収については、それを発酵させたあとに燃焼させる過程を考えると総量として二酸化炭素を削減できるとはいえない。したがって、バイオ燃料が温暖化ガスの抑制につながることは断言できない。
意見4について
化学肥料に伴う窒素化合物や有害化学物質については、確かに影響は考えられるがより深い考察が必要となり、本問で触れるには内容的にも文量的にも困難。
【解 答 例】
石油の可採年数は約40年ともいわれ、石油をはじめとした化石燃料の枯渇は私たちにとって深刻な問題となっている。エネルギーは人間生活に欠かすことができないからである。化石燃料は総じて、その埋蔵量に限りがあり、もし再生するとしても膨大な時間を要す。そのため代替エネルギーの開発は人類の喫緊の課題である。一方で、バイオ燃料の原料は比較的短期に生産することができ、その生産をコントロールすることも可能である。今後の研究次第ではさらなる改良も期待できる。
しかし、バイオ燃料の原料としてとうもろこしなどの穀物を利用する際には、食料不足に悩まされている地域が地球上に存在していることも忘れてはならない。もし、食料であるはずの穀物をエネルギー利用に優先してしまえば、食糧不足が深刻な地域の飢餓をさらに助長する恐れがある。つまり、バイオ燃料の原料調達は市場原理にゆだねるだけでなく人道的配慮も必要なのだ。むしろ、原料生産の技術開発には食料問題の解消を同時に視野に入れていくべきであり、それを食料問題の解決に役立てていくことができれば理想的だ。
人道的な配慮や環境保全、食料問題に留意しつつ技術を発展させていけば、再生、そして制御が容易なバイオ燃料は、化石燃料の代替エネルギーとして大変有効であると考える。(543文字)
(あやべひろあき)
以上
この記事へのトラックバック