平成19年度岐阜県立岐阜高校特色化入試 ≪小論文≫
解答例を作成しました。ご参考までに。
【草稿】
寓話(農家AさんとドライバーBさん)
Aさんは森とともに暮らす昔ながらの生活
Bさんは文明を駆使した生活
↓
Aさんは生活する分だけの薪を伐採
Bさんは騒音を立て排気ガスを撒き散らす
↓
Bさんは森林の大切さをAさんに訴える
その訴えはAさんの生活を揺るがす可能性がある
↓
Bさんにとっては地球を守るための【森林】
Aさんにとっては生活の基盤としての【森林】
資料
先進国と発展途上国における
①一人当たりのCO2排出量の割合
②一人当たりの自動車台数の割合
③一人当たりの発電量の割合 の比較
いずれの指標においても日本・アメリカ・ドイツといった先進国が
中国・インド・ケニア・エチオピアといった発展途上国の数倍~数十倍の値を示し、
先進国のほうが発展途上国よりも温暖化への影響が
ずっと大きいことが考えられる。
結 論
地球温暖化を抑制するために、EU諸国や日本が中心となって、温暖化ガス、とりわけCO2の排出削減を訴えているが、CO2の排出量や排出の形態は、その国の経済発展の状況によって大きく異なる。
そのため、地球の問題だからといって経済発展をすでに成し遂げた先進国の立場から発展途上国へCO2の排出削減や環境保全を訴え、枠組み作りを進めていくのは現実的に難しい課題が生じさせる。
それぞれの国の状況を理解しあいながら、温暖化抑制のための協力体制を築き上げていかなければ、真の問題解決には至らないだろう。
解 答 例
地球温暖化を抑制するために、EU諸国や日本が中心となって、温暖化ガス、とりわけCO2の排出削減を全世界に訴えている。1997年の京都議定書により国際的な枠組みが設定され、排出量削減への取り組みや森林保全、植林という吸収源活動も展開されている。
ところが資料によると、一人当たりのCO2排出量、自動車台数、発電量のいずれの指標においても、日本、アメリカ、ドイツといった先進国が中国、インド、ケニア、エチオピアといった発展途上国の数倍~数十倍の値を示している。つまり、先進国のほうが発展途上国よりも温暖化への寄与がずっと大きく、地球温暖化は地球全体というよりもむしろ先進国の問題といえるかもしれない。
経済発展を成し遂げた先進国にとっては、技術革新やライフスタイルの改善などによりCO2排出削減に取り組むことが可能であろう。ところが、これから経済発展をしていこうとしている発展途上国や自然とともに共生する生活を送っている地域にとってはどうだろうか。
CO2排出量や排出形態は、その国の経済発展の状況によって大きく異なる。そのため、地球全体の問題だからといって、先進国の立場だけで進めていくのは現実的に難しいだろう。だから、それぞれの国の状況を理解しあいながら温暖化抑制への協力体制を築き上げていくことが、真の問題解決への糸口になると考える。(565文字)
以上
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